2013年3月5日火曜日

2月20日発売の新作「未来へ」


ご予約頂いたお客様、既にご購入して下さった皆様、これからのお客様、いつもありがとうございます。
そして全国にいらっしゃるコアなファンの方々本当にありがとうございます。

ジャケットに書きたかったことが本当はもっといっぱいあったのですが入り切らなかったのでここで書きます!

今回のアルバムは私としては異例の1年空いてのリリースとなりました。

人生いろいろあるのはいつものことなのかも知れませんが、本人は結構大変なんですよね。。。これでもいつも真剣に生きているんだぞ。

ファーストアルバムから12年。干支が一回りしました!
そしてこの作品、ソロアルバムでは23作目になりましたあ〜 拍手!!
うん。よく頑張った。よく頑張っているぞ MAKOTO!!
だから「未来へ」!
まだ頑張るぞ!やり続けるのだ。
もういい加減順番が回って来てもいいんじゃないかなあ〜って思っていますが、いや!中途半端じゃ面白くない。だから曲も交響曲!大きいものにチャレンジして自分のものにしていくのだ。これからもシンプルで、いいと思った音、音楽を提供して行きますよ!


なにがともあれ喜んでいただけたら良かったかな。

さて、曲の紹介と行きましょう。

アルバムタイトル「未来へ」
 今までやってきた音楽の基礎になったのはクラシックと歌謡曲。
純粋にクラシックをやるということは私には恐れ多いことでした。いざやろうと思うと敷居が高いし、難しいし、簡単には行かないことの連続でしたから。ここらで乗り越えておかないと!
そして一歩前に出てみました。聴いてみたらいつもとそんなに変わらないんじゃない?と思うかも知れませんが私には大変なことだったのですよ。

1.グスタフ・マーラー 交響曲第5番第4楽章 アダージェット
アダージェットの代名詞にもなっているこの曲ですが初めて聴いたのは今から20年近く前になりますがその時の衝撃は凄かったですね。ボン!ってベースがかっこいい!ストリングスが美し過ぎる!まぶしい!こんな情景美を音楽で表現出来るマーラーにとにかく驚きました。いつかこんな凄い曲を6弦ベースとオーケストラで演奏してみたいな、そんなことずっと考えてました。そして私のつたない能力を出し切ってこのオーケストラを完成させました。
かけた時間は半年。
形にする。取りかかる前はただでさえ壮大かつ長いこの曲を最後まで作り上げられるのか自信はなかったでした。
ただでさえ気持ちが乗らないとやらない私が本当に最後まで出来るのかな。。。
少しずつ少しずつ焦らずゆっくりと場面ごとにつくって行きました。そして最後に全部をつなげて聴いてみてがっかりしましたね。そんな簡単ではなかった 苦。
また最初から作り直し。当初、譜面をおこしてざっくりつくった時は9分10秒程度でした。そして半年後、完成した時には11分にまでなってました。何度作り直したかな。今となってはいい思い出になりました。
この曲を通じて私が得たもの、それはたくさんの愛。
この曲をやるためにここ楽龍時に来たのかなと思う程、景色や鳥、虫など自然から教わることも多かった。もちろん人にも。
1曲目に持って来たのはそんな敬意からです。

曲のイメージ
大自然。鳥がさえずり、虫や小動物たちが話しかけて来る。
水はうるおい、太陽の陽射しはわずかに冷たいが草木や川や海をきらきらと輝かせる。
澄んだ空気と水はこの世のものとは思えない程甘く上手い。
そんな空気や水は険しい大自然の中で生まれて来る。
そしてそこにあつまってくる生き物たち。そこには人間の想像を絶するドラマが潜んでいる。そんな背景も感じて頂けたら嬉しいです。
このイメージはここ楽龍時(寺ではありません Live & Cafe Rakuryuji と言います)。でなければ発見出来なかった。

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2.サン・サーンス 白鳥
15年くらい前になるかな。初めてチェロを手にしたのは。
ベースともギターとも違う弓を使いフレットの無い楽器で音を奏でる。
いつかは弾けるようになりたい!そう思って一生懸命練習してもなかなか上手くは行かないものですね。そしてある方が「6弦ベースでやったら?」と言ったのでやったらそれが大ウケ。でも作品にしようと思うとやっぱり解釈やチェロの運弓、呼吸が必要になる。そして再びチェロを借りて猛練習。そして再び6弦ベースに置き換えて。はい、そうして出来上がったのがこの「白鳥」です。これでやっと少しはチェロが自分の中に入ったかな。

3.ベトルジハ・スメタナ モルダウ
私の幼少期へと一緒に行きましょう。行きたくないか 笑。
中学生のときだったかな。「メロディーがうねる」という初体験をしたのがコレ。
そのうねりを当時はリコーダーで吹いてみていたけど上手くは行かなかった。今ならもう少し上手くあの感動を演奏出来るのかなと思いやってみた。あらためてやってみて凄い重厚な曲だなあと感動してしまった。

4.マコト・シゲヒロ 落葉
千葉県松戸市から流山市に抜ける道がある。その途中に「二十一世紀の森」という素敵なところがある。けどそこは通過 笑。進行方向、松戸市八柱というところから流山に向かってこの二十一世紀の森を通り抜けて行くとその先はずっと街路樹のある美しい通りが続いている。その通りが国道6号線に出るところまで続いているのね。2013年1o月だったかな。夜22時を回ったころここを通っていたの。そしたら道路脇に落ち葉がたくさんつもっていたんだ。車を走らせる度に「ザー」って凄い音がした、最初は落ち葉だと気がつかずに車の調子がどこか悪いのかな?なんて思っていたんだけど、窓明けてみて落ち葉の音だと気付いたんだ。そしたらなんかワクワクしてきてゆっくり車を走らせて、落ち葉の匂いと音に浸っていた。あーもう少しで通りが終わっちゃうなあ、と思っていたら前方上空から大きな葉が一枚ひらひらと落ちて来た。ゆっくり走っていたので味わうようにスローモーションな感じでしたよ。落ち葉がちょうどフロントガラスのところまで来た時に車は走っているのでその落ち葉がスーッとまた上に舞って行ったんです!この時、キターッて思ってその場で作りました。曲の最後の方に上からひらひらと落ち葉が落ちて来てスーッと上に上がって行き感じが伝わるかな?

5.マコト・シゲヒロ 藍の花
ここにはこの曲のドラマになったきっかけがふたつありました。
ひとつは日頃からお世話になっているMさんがいましてその方へ向けての作曲をしていました。そうしましたらあるイメージがスーッと降りて来たんです。それがエディットピアフでした。この曲を聴かれた方はあれ?愛の讃歌?!そう思うでしょうね。けど全く意識はしていないのです。ただ降りて来たのがこのイメージだった。きっと愛情に満ちた方に向けてのことだったのでピアフさんも賛同してくれたのかもしれませんね。タイトルも何となく似ていますがこれも本当に偶然なんです。Mさんいつもありがとう!!

6.ヨハン・セバスチャン・バッハ G線上のアリア
もう名曲ばかりやるのはプレッシャーなんですよ。
誰が選曲してるの?はい、私です。
マーラーのところでも書きましたがオーケストラって憧れです。私は学歴もなければ専門的な音楽教育も受けていないので余計にそう思うのかも知れませんね。今は勉強をしようと思ったらインターネットなどを通じてどんどん出来ますが、出来ないのはそこで感じる空気かなって思います。勉強ってその雰囲気も含むように思うんですよね 余談でした。
本当はこれも白鳥同様にチェロでやってみたかったんですよ。以前お弟子さんたち20名程をヴァイオリンやチェロに見立ててこの曲をコンサートでやったことがあったのですがその時も美しいなあと思いましたね。ひとりひとりにオーケストラの伴奏を付けてあげたいと思ったくらいでした。それからずっと思っていたのでやっちゃいました。

7.イギリス民謡 グリーンスリーブス
やっておかなければならないように感じていた曲のひとつ。
リコーダーのころの自分。あの頃小学生だった自分が今の自分だなんて信じられないけどどこかでわかっていたのかも知れないな。だって同じ曲をもう何十年も経ってやっているんだもの。

8.スティーブン・フォスター 夢路より
この曲もやっておかなきゃの1曲でした。「夢路より」というタイトルの意味が全く分からずにいたあの頃。そんなあの頃の私にもわかるこの曲は凄い!

9.ヘンリー・ローリー・ビショップ 埴生の宿
学校で今はあるのかな。芸術鑑賞会。いつもこの時期が来ると期待はせずに寒い体育館でどう過ごしていたら少しでも暖かいかなってことくらいしか考えていなかったな。
そんなある時に芸術鑑賞会で観たのが「ビルマの竪琴」でした。最後のシーン「みずしまー!一緒に日本に帰ろう!あれは水島に間違いない。おい水島!〜そしてこの曲をみんなが歌い出す〜」このシーン。。。泣いた。

10.フランツ・シューベルト シューベルトのアベマリア
アベマリアもいろいろありますがこれを選んだ理由はピアノが好きなんです。
バッハの平均律クラビーアを使ったグノーも素敵ですが、このピアノのアルペジオはモワーっとした感じがとても美しい。

11.Sakuya かがやき
ピアニストSakuya氏の曲。いつも素敵な曲をありがとう。最初この曲を聴いてタイトルを聴いた時にピンと来なかったんですよね。真逆な感じがして。けどね曲の終盤に向かうに連れて霧が晴れて来る感じで何かが見えて来るんです。気がつくとうっすらと、ぼんやりと、光が見えて来るんです。
どんなに悲しいこと、辛いことがあっても、ここで一筋の光をあなたは掴むことが出来るでしょう。この曲はまさに「かがやき」です。

12.マコト・シゲヒロ 未来へ
アムバムタイトルでもあるこの曲。
一歩前に出るというのは何をするにも勇気がいりますよね。
そしてひとつ手に入れるということは手放すものもあったりする訳で。。。
行かなければならないけど、居心地の良い、慣れたものには後ろ髪惹かれますよね。
ちょっと未練がましいかもしれませんが、そう思っていても一歩前に歩き出しているうちにどんどん遠ざかってちゃんと未来へ向かって歩んでいく。
けどね大事なのは今までとは違うことをするということ。このアルバムで私が一番表現したかったのは、今までのものもとても大切で大事なものだとわかった上で新たな一歩を踏み出すということ。今回のアルバムは同じことをやっているようで実はたくさんの勇気や決断が必要でした。一番大変だったのは大切なものを手放すこと。「一番大切なものって音楽じゃないの?」そうだね。。。今まで「自分の音楽」と言って来たし、そう思って来た。しかし、私の曲は1曲も存在しない。全て音楽からの贈り物を代弁しているに過ぎないから。私はなにも出来ないし、していない人間だとわかったのです。
なので、自分が大切に思って来ていた音楽に目覚めた時の小学生の頃、中学生の頃の音楽を入れました。
自我でやる音楽とはこれでお別れなんです。
これからの私は「音楽に仕える」。

13.フランツ・シューベルト シューベルトの子守唄
もっと繊細な音でやりたいと思っていたのだけど、安らぎってこの無骨さが良かったりもするのかな。
あえて1本でやりました。理由は、こうあるべきだと選曲の時に思ったから。
この曲にしたのは、疲れてしまっては未来へ踏み出す元気、勇気は出ないぞ!
しっかり寝て今を変えて行こう。そして目覚めは再びマーラーで大自然に包まれたイメージで聴いて欲しい。


最後に。。。
ジャケットの写真、皆さんなんだかお分かりになりますか?
当たったら凄いですよ〜。
もしわかった方は Live & Cafe Rakuryuji に来た時にスタッフに言ってみて下さい。
きっとなにか素敵なサービスがありますよ♫


「未来へ」重廣 誠